特殊魔術(S・S)

特別な資質を必要とする魔術

召喚遣い

 召喚遣い{サモナー}の召喚魔術はもっとも有名でもっとも一般的な魔術と近しい特殊魔術である。
 厳密にいえば特殊魔術ではないのでは? と発言する専門家もすくなくはないが、特徴として自己の魔術的な容積が他者の数百倍近く、そのため魔力量が桁外れであることが多い。
 召喚遣いが異変体{バグ}とされることが多いのもこのためとされ、その「容積」は一種の亜空間と認識すべきものがあり一般人のものとは性質も異なることがわかっておりこれを「召喚魔力領域素子{ケージ}」という。
 また、召喚遣い{サモナー}の魔術は現代の魔導器や魔術に広く転用されているものがすくなくない。
 このように多大な貢献度をしめすものの特殊魔術と呼ばれるゆえんのひとつには、自己魔力の制御ツールとしてのP・Bを持たない(持てない)ことがあげられる。

治癒魔術遣い

 召喚遣いと並び、治癒魔術{メディカル}はその性質上さまざまなものに転用されているため、特殊魔術の名を冠するべきかは意見がわかれるところだが、列島ではこのカテゴリーに分類される。
 治癒魔術の遣い手で特徴的なものはふたつある。
 ひとつ、一般人が同じことをやろうとすれば辞書数冊分におよぶ知識等を感覚であつかえること。
 ひとつ、現在の人類の魔術研究では不可侵領域とされる魔術が使用可能であることだ。
 この特殊魔術は一般形式ではむずかしい「他人」や「自己」を対象としているがこれを研究しつくすのは困難であり、その不思議さや神秘性から高度な治癒魔術遣いは「司祭」や「法王」などと呼ばれることもあり、歴史上、そして現代でも尊敬され、権力を持つこともすくなくない。

上記ふたつ以外の特殊魔術

精霊術遣い
<シャーマン>
召喚遣いと混同されることが多いが、
地区や個人によって異なる特定の魔力素子をあつかい、
特別な工程を感覚や儀式によって魔術を成せる者。
一般的なP・Bの位置に「人格を持つ魔力」を保有できる。
死霊術遣い
<ネクロマンサー>
その能力の多くが謎でありながらも有名なのは
この特殊魔術は例外なくすべての遣い手が異変体クラスの魔力を持ち、
社会的に大惨事を引き起こすためである。
現在わかっている範囲だけでも、四つの都市を壊滅させ、
二つの島を無人島に変えたことが知られている。
その凶悪さから研究できず、危険性から列島は"軍"の行動を視野にいれた法を作っている――
超広域魔術遣い
<ワイドソーサラー>
特殊魔術としての特別な性質はなく、異変体{バグ}クラスの力を持つ者に限り
その特性が現れる。
半径数キロを超え、数百キロにもおよぶ認知や未来予知ですら可能と言われる。
限定空間魔術遣い
<エリアソーサラー>
一般形式でも限定空間の重力などを変えたりできなくはないが、
この種の遣い手が異変体{バグ}クラスの力を持つ場合凶悪な殺傷力を持つ。
広域干渉魔術{フィールド}を極めて強力にあつかえるため、
彼らが敵に回った場合、一般人による対応は戦闘用の魔導器をもってしても不可能とされる。
付与魔術遣い
<エンチャンター>
一般形式に紛れこんでいるが、知識もなく「物」に作用する魔術を
遣える者がこれにあたる。
<???> 特殊魔術は個人的な感覚、霊、魂、に基づくことが多く
いまだ明かされていない魔術が多い。
また、それらの遣い手で異変体{バグ}クラスの力を持つ者は
一般形式をマネたり、解明しつくされたりする。また、現代においては
本人も気づかないことがすくなくない。

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