異変体(バグ)

列島の法においての異変体

 現代において魔力の数値化は一部機関にしか使用されていないが、一般的な成人のおよそ何百倍以上という途方もない者が
「その強大な魔力を使用して犯罪を犯した場合」に<異変体>と呼ばれる。
 厳密には上記の通りだが、魔力に依存しない犯罪を犯したケースでも留置所のような拘束が必要な場合、同様の処置がとられることがある。
 魔術が大きく関わる事件は、
枢密院(すうみついん)が管轄し、
同組織は警察権とはべつの権利を保有する。

強大な魔力を持つ個人

一般人の認識

 強大すぎる魔力は一般生活において無駄でしかなく、
だからこそ畏怖の念を抱くのが自然であるが、
同時に多くの魔道器を開発できる魔術の資質を持つため「関わりたくない人間」という位置づけとなる。
 このため社会問題にはなりそうでなりにくい。
 なかば禁忌となっているため、過去においては異変体に生まれた子どもはおおよそ両親にとって好ましくなく、その関係が犯罪のひきがねになることもめずらしくなかった。
 法整備が進み、枢密院と厚生省が合同でつくった教育院に子どもをあずけるという処置がとられる。
 以後、さらに整備がされその教育院は幼少、少年時代に犯罪を犯した異変体が更生するためにも使われることとなった。

存在を認めない一般人

 上記のようにあまりこころよく思われていない異変体のあつかいについて、政府、その他機関は保護する形をとっているものの、それはすべて税金でまかなわれていることになる。
 そのため、とうぜんながら反対する人間もすくなくはない。
 異変体は悪だとする市民団体は、絶えることなく一定以上存在し、有名なところでは「正民(たたみ)」や「自勇党(じゆうとう)」などの団体がそれにあたる。その他の勢力なども、異変体に否定的な団体がすくなくない。

異変体の貢献(一部)

1976/01/06 広域異次魔力波によるエネルギーソースの発信する第一号円陣(エンジン)<紫電塔>竣工。
1976/05/05 大量の相互通信魔術を扱える第五号円陣を独逸と共同で開発すると発表。列島からは11名(一号円陣の開発者を含め、いずれも異変体{バグ}クラスの力を持つ者)が参加。
1980/03/25 五号円陣が完成。同08月に広域魔道器を利用した携帯型FLS(フィールド・リンク・システム)のベータ版利用開始。
1985/02/20 五号円陣搭載型・四番器<隼>を天空へ定着させるプロジェクト「ラピュタ」発足。
1990/10/10 飛翔建造物ラピュタ・ユニット一番器が竣工。帝都で試験運用後、同年12月に一般利用ポートを開放。
1993/08/15 ラピュタ・ユニットの量産、国内六ヶ所への配備が決定。中継子機として無人ユニットの開発をスタート。諸外国への技術提供が決定。
2000/04/10 ネットドライブインダストリー(NDI)、マッシュルーム(MR)社等の一般企業が続々と一般向け携帯通信魔道器、FLSを開発。同業界は爆発的に成長。

岩海書院発行:列島録百科、広域影響発明期より抜粋〜

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